ナオエのドンキー日記 (鳳凰編) #3

1月12日
 キリっと冷え込む。元、耳鼻咽喉科のサックス丹羽、我が幻の2001年のバンドLove Experienceのキーボード宮原(『Duck Boat』やシングル「スーパーマン」のイラストも彼)とZ大同級生3人で居酒屋、小さな新年会。笑い通し。「お前らの話を聞いていると毎度自分が大切に築きあげてきた思考のピラミッドが根底から崩れる。いや、これこそともだちの会話だ!」という宮原の言葉が印象的。さらに「とはいえ、帰りの電車に乗って何十分後かにはすぐに立て直せるのだが」と。つまり酔ってなんぼだ。上野駅、夜の常磐線ホームは煤けて暗い。昭和の記憶そのまま。軽く部屋の掃除。高見順『敗戦日記』を栞の挟まっていた8月から読み始める。もっともヘヴィな箇所だ。

1月11日
 新年会が続きそうな予感。SUICAをぱたぱたしながら電車。車中BGMはラウドン・ウェインライト三世『Last Man On Earth』で読書は高見順『終戦日記』と、頭が変になりそうだ。事務所でアルバム制作のためのミーティング。方位磁石を使って先日買ってきた豊川稲荷のお札をしっかりと東向きに貼る。リレー・エッセイ(「架空の選曲カセットを制作し語る)で1ページ分を担当した雑誌『Dazed & Confused Japan』(チェックよろしく)をいただく。のち、居酒屋でビールはハートランド。つまみは刺身とアボガド・サラダとじゃがいも。朝方『終戦日記』読了。作家の苦しみが一冊に詰め込まれた労作で圧倒的におもしろい。次は頓挫中の『敗戦日記』(昭和20年の日記)に逆行予定。

1月10日
 12時にスタジオ入り。ちわきまゆみさんの番組(FM802 「BINTANG GARDEN」13日放送)の収録。丸々1時間「フランク・ザッパ特集」という驚きの企画。ドゥィージル・ザッパ来日記念。楽しすぎた。その打ち合わせ中に長年音信不通だった中学時代に組んだ初めての二人バンド、APPLE(※)の相棒Yから突然の電話あり。彼から届いた年賀状がきっかけで連絡がついたのだが、近々逢えるかもしれない。「年賀状って偉大だわ〜」とちわきさん。本当、そうですね〜。収録後、ドゥニームに行きデニムを新調。

 ※APPLE : 1972年に結成。辞書の例文を多用したトンデモな英語詞を歌う(今聴けば)アシッド・フォーク・グループ。1973年までにオリジナル・カセット・アルバム7〜8枚(8ミリ映画のサントラ盤も2種)制作。ビートルズ年表にならって解散。後はソロ作で闘う。書籍『宇宙の柳、たましいの下着』にも書いたが、Yはソングライターとしてもおれなんかよりもずっと早熟で数多くのセンチメンタルな傑作を残した。ある晴れた日、グラハム・ナッシュ「狂気の軍隊」を朗々と歌い上げ相方の人生を狂わせたうえに、先にリンダ&ポール・マッカートニー『ラム』を買った男。現在は建築士。

1月7日
 赤坂の豊川稲荷でヒット祈願。とらやで抹茶。仕事始めは事務所で『MARQEE』の取材。去年から引き続きの第3回目。松本昌幸さんと岡村詩野さんと「やぁやぁ、あけましておめでとうございます!」。テレコを前に漠然としながらも自分のヴィジョンの路地裏を覗いてみる。最近の心の友はなんといってもラウドン・ウェインライト三世。ようやくこの歳になって彼の歌とピタッと波長があった。『AlbumⅢ』。
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by straight_branch | 2008-01-13 06:22 | 直枝政広のドンキー日記
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